自分の顔に満足している人はまず居ません。どこか自分の顔にコンプレックスを持っているのが普通です。それを踏まえて男性のポートレート写真撮影の場合、いつも通りの写真を撮影しても、本人は納得いかないでしょう。いつもの自分と同じ写真だからです。

他人、カメラマンからすると良い写真なのですが、ご本人は納得いかないようです。私自身、自分のポートレート撮影では、50枚以上撮影しても、自分の気に入った写真にならない事が殆どです。

そんな時は、がらりと雰囲気を変えて撮影します。まずはライティングとポーズ。ライティングは固く、ポーズもモデルのようなポーズで撮影します。画像修正も行います。とにかく、いつもと違う写真にしていきます。もちろん、その方にあった雰囲気を活かしつつ、頭の中でイメージを膨らませながら良い方向に変えていきます。これが私のなりのポートレート撮影。

ポートレート撮影全般に言える事ですが、よく、撮影枚数を多くとって良い表情を後から選ぶカメラマンもいます。私の場合、方向性は決まっていてそれに合わせて、更に詰めていく撮影をしています。詰将棋に似ているかもしれません。だからその過程を示すロジックがしっかり出来ていないと方向性がブレてしまいます。撮影中にその方向性を確認しつつ撮影していきます。方向性がブレていないか?

良い写真が1枚だけ撮る事が目的でであって、あまりパッとしない写真を多く撮影するよりも最初からそうなるように狙って撮っています。後から撮影した写真を観てみるとわかる事が多いようです。ちょっとした顔の角度や肩の角度、手のポーズやライティングによって写真は変わります。

写真撮影は、話がある時から考想はスタートしています。ご本人のイメージや好みに合わせて撮影いたします。