会社にパソコンが始めて導入された1988年頃の話です。今では信じられない様な事ばかりでした。
多くの会社が始めてパソコンを導入していた時代です。導入と言っても1人1台では無く会社に数台、パソコンコーナーがあってそこで共有して使うといった感じです。ある時はパソコンコーナー、ある時は、談話室ともなります。パーテーションで囲まれた空間が落ち着いた様です。
そして、まだ、インターネットの無い、携帯電話も無い時代です。今から考えると相当不便ですが、これでも仕事は回っていました。
有るのは、固定電話とFAX、バイク便、ワープロ、カラーコピー機。デジカメはまだ無く写ルンですが売っていた時代。カラーコピー機は良く使っていたので、コピー機屋さんは儲かったと思う。そして普及し始めたパソコンが数台あった。
事務系のパソコンは
当時のパソコンは、事務系は富士通かNECのDOSvと言われるOSで動くパソコンで、まだ、ビルゲイツのWindows3.0が発売されていない頃。表計算と文章作成程度、今で言うワードとエクセルの様な機能しか無かったと思います。そしてデータ保存はフロッピーデスク。
クリエイティブ系は
そして私が使っていたクリエイティブ系のパソコンは、Appleコンピュータが1年前に日本上陸した時でもありました。私がMacintosh(Mac)を始めて使ったのもこの頃。当時はマックとは言わずマッキントッシュとか、Appleコンピュータと皆んな言っていました。当時は何でリンゴなんだ?と思っていましたが、今、当たり前過ぎて、誰も疑問に思いません。それだけ自然に定着した企業なのですね。
昔はパソコンの事をパソコンとは言わなかった
今までパソコンと書いていましたが、当時はパソコンの事をパソコンとは言っていませんでした。パソコン=パーソナルコンピューターの事ですが、コンピューターは、当時、高額でパーソナル(個人的)なものでは無かったのです。あくまで会社内で共有して使うもの、なので、パソコンの事を、コンピューターと言っていました。今、コンピューターと言うと変な感じですが、それが当たり前で、当時は最先端の機械だったのです。
とにかく高い
バブルにこれから突入前の時代、Macは高かった。確か本体35万、モニター30万位。カラープリンターも30万位。フォントも1書体で3万位、Pphotoshopも買いきりで6万位?もっと高かったかも知れません。つまり、パソコン一式、100万から120万位。しかも3台。それでも会社は買ってくれた。感謝です。お陰で今でもパソコン関係は得意になりました。
とにかく遅い画像処理
当時のPhotoshopは、機能、出来る事が少なく、写真のトリミング、色を変えたり、写真をボカシたり、写真の上に文字を載せたり、その程度でした。ある時、ポスターの仕事で都市の風景を部分的にボカシてみる事をPhotoshopでやってみた事が有ります。1枚の写真データをボカすのに、5時間位掛かりました。今なら5秒位です。余りに処理が遅かったのでモニターの左上から右へ正方形のブロックが計算処理をしながら動き、また下の段の左から右へ繰り返し動くのが分かる程だ。デカいモニター、17インチで40センチ四方はあった。パソコン本体もコンクリートブロック2つ平たく並べた位の大きさだった。
当時はボカシ具合の表示がリアルタイムで表示出来ないので、ボカシ具合が分からない。処理中は止められない。止めるとパソコンが固まる。仕事をしていたのか?処理が終わるのをボッーと待っていたのか、分からない時代でした。
パソコンも遅いがプリンターも遅い
写真を少し加工して、いよいよプリント。B5サイズ位の写真をプリントするのに、スタートボタン押してから1時間経っても、2時間経ってもまだプリント中、とにかく遅い。3時間位掛かってようやく終わった。当時のプリンターはこんなものです。
それでも当時の最先端技術、凄い、凄いと感動していた記憶があります。
あれから36年、AIを活用した仕事のやり方に変わりますが、今、AIで画像生成した写真を見て、凄い、凄いと言って感動しているのは、逆に何か昔を思い出します。大きな技術革新が起きている時は、どの時代でも同じ反応するのでね。
今の初歩的なAIがやる事も、10年後、20年後には、大した事では無いと笑える時が来るでしょう。楽しみです。