シャッターを切るタイミングとは、ここのタイミングで切ったら良いだろうなぁというのが、本音じゃないでしょうか。

例えば、報道、芸能関係のインタビューなら、終始淡々と同じ表情で終わったなら、カメラマンとしては、シャッターを押しても、面白い絵(写真)は撮影出来ません。オーバーなアクションがあれば良いのですが、そうでなければ、少しでも顔をゆがめたり、汗を拭ったり、ちょっとした仕草があれば、すかさずシャッターを連写で切るでしょう。写真はリアルですが、リアル=本当の姿、ではありません。その仕草が写真を見た人によって別の意味を持てば、その方向で写真の意味づけがされてしまいます。

終始、淡々とインタビューをしていても、一瞬、鼻がかゆくて、鼻を手で掻いただけでも、シャッターを押すでしょう。下を向いたままの方が、横をちらっと見た瞬間だけでも、シャッターを押すでしょう。人の感情が出た瞬間、それがシャッターを切るタイミングです。喜怒哀楽の切替のタイミング、ハプニングの瞬間、想定外の瞬間、一斉に連写でシャッターを切るでしょう。それがシャッターチャンスです。

逆に、カメラマンから記者会見などの映像を見ると、なんでこのタイミングで、シャッター音がするのか(どこが良くて写真を撮ったのか)理解できないカメラマンも居ます。新聞などを見ていても、報道カメラマンが、何故このカットを選んだのか解らない場合もあります。新聞や週刊誌を見てシャッターのタイミングや、インタビューの映像などみて、カメラマンのシャッター音を注意して聞いて見てください。編集長やプロカメラマンがいつでも正しい判断をするとは限りません。

どこのシーンを撮影したかったのか?どこのシーンに興味を持ってシャッターを切ったのかが解ります。自分なりにシャッターを切るタイミングを練習しても面白いかもしれません。
他のカメラマンがシャッターを押したからと言って、つられてシャッターを押す事はありません。他のカメラマンがシャッターを押すと、つい押したくなるものです。しかし、自分なりのシャッターチャンスを冷静に判断しましょう。誰もシャッターを切らない時だからこそ、誰にも撮れない写真となるのです。誰もがシャッターを押すタイミングは、結果、有象無象の平凡な1枚に過ぎません。誰もが撮った1枚です。カメラマンには、予習、復習が不可欠です。

タイミングについては、ある程度の予測がなければ、撮影ポジショニング、シャッターチャンスに間に合わないと思います。行動予測、それがカメラマンに必要なのかもしれません。これらは、報道に限らず、風景や動物写真など、他の写真撮影分野でも同じです。違うのは広告写真だけ。すべて決めて撮影しますから。