
そもそも、俯瞰撮影で写真を撮る意味は、説明的に見せる場合、俯瞰撮影で撮ります。イメージや雰囲気で見せるなら、斜めからややぼかし気味で撮影します。これが、俯瞰撮影と斜めからの撮影の見せ方の違いです。
では、写真を俯瞰撮影で撮影する方法を注意点から解説していきたいと思います。
もし、1カットだけの俯瞰撮影(真上からモノを撮影する)なら、手持ちでやや全体を引き気味にして、後でトリミングして写真を使えば良いでしょう。何枚か撮れば1枚くらい上手くいくかもしれません。しかし、思ったようにならない場合は、以下の事をポイントに撮影しなくては上手くいかないでしょう。カメラマンとしては、偶然に撮れた1カットより、確実な方法での1カットにこそ価値があるからです。


俯瞰撮影対応の三脚で撮影する
思ったような構図で俯瞰撮影する場合、同じ位置にカメラを固定する必要があります。カメラが固定されていれば、被写体を動かし細かな構図の調節が出来るからです。一般の三脚の中にも俯瞰撮影が可能な三脚もあります。
このページでは小さなモノを俯瞰で撮影する事を前提にしていますが、大きなモノを俯瞰で撮影する場合は、建築工事用の足場を組み立ててその上から撮影したり、または、俯瞰撮影ができるスタジオで撮影したりします。GITZO サイドアームやmanfrotto 90°センターポール、サイドバー、ベルボンのマルチアングルユニット、その他。
水準器で水平を確認する
カメラと撮影する面(テーブル)の水平を水準器を使って調整します。水平が傾いた写真は、見ていて船酔いするような妙な写真になります。
パソコンとカメラを繋いで撮影する
俯瞰撮影用に三脚をセットし、いざ、撮影するとなるとカメラのファインダーが確認しにくかったり、カメラマンが俯瞰撮影で無理のある姿勢のまま撮影出来ても、今度は撮影した写真が確認しにくかったり、カメラの設定が変えにくかったりと、撮影工程の全てがやりにくい事に気付きます。そこで、パソコンとカメラを繋いでパソコン側でのリモート撮影(ライブビュー撮影)、または、ストロボ撮影の場合は、パソコン上で撮影確認をしながら撮影していきます。

ウエイトバッグを三脚に付ける
三脚のバランスが悪くなるので、ウエイトバッグを三脚に付けます。これで安定した撮影が出来ます。
広角レンズ(超広角域)を使わない
24ミリとか、17ミリとか、広角で俯瞰撮影をすると、レンズの端の歪みで、フレームの端にあるモノが、飛び出してくるような写真になります。映画スターウォーズのシーンで宇宙の沢山の星が見ている側に向かってくるような、写真の中心から放射線状にモノが歪んで写ります。特に背の高いモノほどそう写ります。これを解消するため、ズームレンズの場合は、ややズーム寄りで撮影します。そうすると撮影された写真も違和感なく普通の俯瞰写真に見えます。
ズームレンズをテープで仮止め
俯瞰撮影の場合、使用するレンズは単焦点レンズではなく、大抵はズームレンズを使うと思います。俯瞰撮影でズームレンズを下に向けた場合、徐々にレンズが自重で伸びて出てしまう事があります。その為、構図を決めた後、ズームレンズをテープで仮止めしておきます。
その他
撮影するモノに液体、水面、鏡面がある場合、撮影するカメラの写り込みが出ます。コーヒーやスープの液体、水面の場合は、PLフィルターで解決できるかもしれません。鏡面はブツの角度を変えて逃げるか、ダーリングスプレー対応でしょうか、カメラ真俯瞰の角度をやや変えるか、難しい所です。
大体、注意点はざっとこんな所だと思います。後は自由にライテイングや構図等、色々変えて撮影すると良いと思います。ご参考まで。
もし、一般の方が趣味でコンパクトデジカメで俯瞰撮影するなら
コンパクトデジカメで使い勝手が良いのは、可動式の液晶モニター、バリアングル液晶モニターと呼ばれているカメラの液晶モニターが自由に動いて見られるものが良いです。最近のコンパクトデジカメの性能は、どれも殆ど差がありません。もし、新しく買い替えを考えているなら、可動式の液晶モニターが断然、使い勝手が良いでしょう。自撮りや、ローアングル、カメラを覗きにくい高いハイアングル、料理、その他の俯瞰撮影でも、楽な姿勢で被写体を見ながら撮影出来ます。